アノマリーをシストレで活用する方法

村居孝美

KENSHIRO-225 開発者の村居孝美です。

皆さんは、「アノマリー」という言葉をご存知ですか?

ネットで検索してみると、
”理論的根拠があるわけではないが、よく当たる相場での経験則のこと”
といった感じで、出てくると思います。

しかし、システムトレードでは、「理論的根拠」を、検証作業で明確にすることができます。

今日は、そんなアノマリーについてのお話です。

アノマリーでは勝てない?

アノマリーの話をすると、「それ、勝てませんよ」という声をよく聞きます。

しかし、実はそうでもありません。

世の中には、使えるアノマリーと使えないアノマリーがあります。

ラリーも使っている「シーズナリーパターン」

例えば、欧米のプロも使っている「シーズナリーパターン」。

これは、ラリーウイリアムズも重要視している季節的パターンです。

この活用法には、消極的な使い方と積極的な使い方の2つがあります。

消極的な使い方

仮に、曜日や日、週、月等に偏り(パターン)があったとします。

例えば、同じルールなんだけど、検証してみると

  • 月曜日だけ売買すると、なぜか負ける
  • 2週目は調子が悪い
  • 5月は負けが多い

など。

この場合、「その期日は売買しない」という条件のフイルタを加えます。

仮に、外さないほうが勝てた場合でも、機会損失だけで済みます。

これが消極的な使い方です。

積極的な使い方は注意!

「●曜日だけ寄り引けで買えば勝てる」

というシーズナリーパターンが存在するなら、それだけで売買したいですよね。

実際に検証すると、アノマリーだけで勝てる売買ロジックが作れそうな気もします。

しかし、積極的な使い方は、注意が必要です。

統計的な信頼性

シストレは、過去のデータを使って統計的に検証結果を確認します。

しかし、季節性のアノマリーの場合、売買回数は減る傾向があります。

「月曜日のみ」は「毎日」に比べて1/7の回数になります。

売買回数が少ないと、統計的な信頼性においては、充分とは言えません。

この場合、「根拠となる裏付け」を探しましょう。

裏付けがあれば、回数が少なくても、信頼性は高まります。

カーブフィッティングに気を付ける

私の経験上、「●月だけ売買する」という売買ロジックは使えないことが多かったです。

毎年少しずれていたり、結果がコロコロ変わったり。

これはある意味「カーブフイッティング」と同じだと思いますが、こじつけすぎた結果です。

多少ずれても数をこなせばトータル利益になる作り方にしていく方がよいでしょう。